自動車メーカーが自動運転の開発を進めています。トヨタ(7203)が高速道路上で車線変更や合流、追い越しが自動でできる市販車を2020年ごろに発売するとしているほか、先月に高速道路での自動運転のデモンストレーションを実施したホンダ(7267)も性能を高めて2020年を目処に実用化を目指すとしています。さらに2016年末にも高速道路での渋滞時に自動で走行する機能をもった車を日本で発売する予定の日産(7201)は、一般道での走行が可能な自動運転の実験車両を公開し、国内外で公道実験を進め2020年の実用化を目指すとしています。
また、自動車メーカー以外でも自動運転の開発が進んでいます。2009年から自動運転の開発を行ってきたインターネット検索大手の米グーグル(GOOG)はすでに自社開発の自動運転車で200万キロ以上の公道走行実験を重ねているほか、来年13月からカルフォルニア州で自動運転車の公道実験を始めるフォード(F)と提携交渉を進めていると報じられています。日本では米インテル(INTC)やソニー(6758)、JVCケンウッド(6632)、コマツ(6301)など名だたる企業が出資しているベンチャー企業のZMPが公道での自動運転の実験を行っています。
ZMPと出資企業は様々な分野で共同開発を進めています。画像センサー(CMOSセンサー)に強みを持つソニーでは暗闇でも前方を認識できる自動運転用の画像センサーをZMPと共同開発するほか、JVCケンウッドは車を使ったSNSで共同出資会社を設立、コマツは建機の自動化で提携しています。また、ロボットタクシーの実用化を目指すディー・エヌ・エー(2432)も共同で新会社を設立しています。
このように自動運転の開発が公道実験での段階にまで進むなか政府は自動運転車の公道利用を2020年までに解禁するのを目標に掲げ、具体的な工程表の検討を始めると27日の日本経済新聞では報じています。政府のIT総合戦略本部が具体案作りに入っており、道路交通法など必要な法改正を来年5月までにまとめ、自動車運転の関連技術を成長戦略の柱の一つに据え官民挙げて取り組むとのことです。