みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓について解説したいと思います。
1週あいだが空きましたが、結果はどのようになったのでしょうか。早速チェックしたいと思います。
チャートを見ての通り、75日移動平均線をサポ―トに反発する場面がありましたが、下向きの5日移動平均線に押し返されると同時に三角もち合いのサポートとみられていた75日移動平均線を下回り、5月30日と31日にあけた窓を埋める結果となりました。
さらに三角もち合いを下に放れたことから、割り込んだ7月2日には下げ幅が大きく広がり、下落が加速する結果となっているのが分かります。
この下落の勢いの加速は、もち合いを下に放れた場合の展開的なパターンと言えます。なぜなら、その後も下落が続いてしまい、結局3月26日の安値から5月21日の高値までの値幅の半値押し水準を下回って61.8%安水準に接近するところまで下落する場面があったからです。
その後は反発していますが、7月10日には下向きに変化した25日移動平均線に押し返されて終える結果となっています。
こうした状況から、このまま25日移動平均線上を回復できずに反落して75日移動平均線上を割り込んでしまうようですと、三角もち合いの下放れとその後の下落が継続中と考えられ、7月5日につけた安値に接近したり、割り込んだりすることが考えられ押し目買いは慎重に行う必要が出てくるのではないかと思われます。
一方で下向きに変化した25日移動平均線を上回って維持するようですと、もち合いの下放れからの下落が終了し、底入れから反発に向かうことが考えられそうです。
いずれにしても窓を埋めたあとに下に放れて下落が続いているなかでの反発が弱い場合は、その後も下落が続くことが過去の経験則にありますので、フィボナッチリトレースメントの61.8%押しや76.4%押しの水準辺りまでの下落も視野に入れるなど、実際の売買を行っている投資家のみなさんは注意が必要です。
ところで、なぜ株価はテクニカル分析で予測される結果と合致するように動いているのか、疑問に思われる投資家の方がいらっしゃるかもしれません。
ここからは私の考えですが、チャートには人の投資行動の結果が現れると同時に、人の投資行動というのは、実は昔も今も変化がないからこそ、こうした値動きが繰り返されており、予測が可能になるのではないかと思います。
仮にこの考えが成り立つとすれば、行動ファイナンスでよく語られる人の非合理的な経済的な行動を避けるためにもテクニカル分析が役立つことが今後証明されることになるかもしれません。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
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