投資をすることのメリットは、資産形成の一助になるほか、視野が広がる、経済の勉強になる、自分の考え方の軸となる、価値観が形成される、といった自己成長など、様々な良い効果があることだと思います。

では、こういったメリットのほか、その「副産物」は何かと考えたことはあるでしょうか?これは無意識で行っていて、自分では気づいていないことの方が多いと思います。しかも、強い家計を作りながら投資をされている人だけに現れる共通項だと感じるのです。

それは「家計に意識がいく」ということです。一般的な家庭では、投資をする上で原資となるお金は、毎月の家計から、もしくはこれまで貯めた預貯金から出ていることがほとんどとなります。そのため、強い投資をするには投資と家計の関係が強くある必要があります。

私は、家計をメインにみなさま方のお話を個別に聞かせていただいております。いろいろな家計相談がありますが、上手く投資と向き合い、付き合っている方は、やはり根底に日々の家計に目を向けていることがあります。それは驚くほどに、無意識であったりもします。「素晴らしい考え方ですね」などとその方にいうと、「え、そうですか?普通ですよ」と、あっけらかんとした答えが返ってくるのです。

強い投資をしている人ほどこの傾向があるといっても過言ではありません。ここでいう強い投資とは、マーケットが悪かろうと微動だにしない、多少のアクシデントがあろうと、投資した部分はそのまま置いておけるという状況にあるということです。
もちろん、子どもの入学金が1年以内に必要だということなら、それに対応して場合によっては投資部分を一部売却するだとか、そういったことはします。ただ、少しくらいのアクシデントであるならば、貯蓄(預貯金)もキープしているので、相場など無関係と捉え、笑っているのです。そういった人は、家計管理能力が高いのです。私のような家計を見ている者からすると、ここに大きな差があることを痛感させられるのです。

世の中に多くみられるのは、投資をされていても、いつもその結果とにらめっこ、いい銘柄はないのかといった成果中心の取り組み方となって、基本、今の生活はあまり気にしない家計です。つまりは、トータルでその方のお金周りを俯瞰すると、赤字家計で無駄がいっぱい、非効率だし、弱いという状況になっているのです。

投資をする上で、副産物ともなり得る、気づきにくい点の話を今回はさせていただきましたが、みなさまご自身はいかがでしょうか。
投資の本来のところを理解できてくると、必然的に家計に目が向き、お金の使い方にまで意識が向くようになり、家計の無駄や、無意味な出費はできるだけ少なくしたいと思うようになるものです。このように投資に目を向けることは、家計にも目を向けていることとなります。ぜひ無意識ではなく、意識して行ってみてください。これまで、投資の成果だけにとらわれ、投資資金のお金が捻出できないことがあった、生活をする中でお金が急に必要になった、などの経験がある方には、絶対に意識して行っていただきたいことです。

今回申し上げた、"強い投資をされる方は、目の前の家計をしっかり見つめている"ということは、"家計に目を向けている人は、強い投資をすることができる"とも置き換えられます。どちらが先でも構いませんが、これから投資をされようとしている方は、まずは家計から把握していくことをお勧めします。現在の家計を把握し、その上で、適切な投資額が見えることは何より安心につながっていきます。
家計の把握、正しい(自分らしい)お金の使い方から、強い投資を目指して継続されることを願っています。

コラム執筆:横山光昭(よこやま・みつあき)

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