一目均衡表の遅行線とは、現在株価を26(日、週、月)前にずらして描く一本の線です。つまり、週足ならば、現在株価と26週前の株価の位置関係を一目(ひとめ)でみることができます。26週前の株価よりも遅行線が下ならば、現在株価が当時の株価よりも下の位置にあり弱気の局面。逆に、26週前の株価よりも遅行線が上ならば、現在株価が当時の株価よりも上の位置にあり強気の局面となります。
遅行線と株価の関係は不思議です。ときに、現在株価は遅行線が位置する当時の株価と同じような動きをすることがあります。マニアックな話ですが、聞いてください。

昨年9月に大幅に上昇した銘柄は、東京オリンピックなども決まり、中小型建設株に多いわけです。例えば、鉄建(1815)、大末建設(1814)、熊谷組(1861)など。週足の一目均衡表では、来週(3月第1週)に入ると、26週前が当時株価が急騰した局面に入ります。週足の一目均衡表をみることができる方は、みながら読んでください。
鉄建の場合、昨年9 月第2週目に急騰し、9 月第3週目で高値をつけたあと、調整局面が続いています。でも、現在株価は基準線の上方をキープしています。こういうチャート形状は個人的に好きです。遅行線が位置する当時の株価と同じ力が、日柄の経過を通じて現在株価に備わってくるとしたら、要注目でしょう。2月前半の下ヒゲ足、直近2週続けての小さな陽線並び(2/26現在)もあやしい。26週前が急騰したことで、足元の基準線は上昇に転じ、ポジティブに変化します。このタイミングはみてないとわかりません。実際に上がるかどうかは保証できませんが、こういうタイミングの前に少し買っておくと、出来高が増えた局面でわざわざ買わずに済み、高値掴みは避けられます。そして、出来高が膨らんだときに売り逃げることができる。要するに、「買いは指し値、売りは成り行き」といった勝ちパターンです。仮に、動かなかったとしても、静かなときに指し値で買ったものは、ロスカットも簡単です。出来高が増えた局面で買った株をロスカットするのは難しい。

今の時期だけに限ることではないですが、一度相場を作った銘柄が日柄調整のあと、株価がどのポジションにあるか、どこで再動意の可能性があるかは、遅行線を追っているとわかりやすいでしょう。

以上

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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