ユーロドル相場は1985年以降、安値と高値を切り上げています。一見すると、長期の波動は強含みに見えますね。2008年以降は三角もち合いを形成中しています。三角もち合いがどちらに放れるかはわかりませんが、可能性として高いのは上放れ?というのは、2000年10月安値0.823を起点とした上昇波動の中値以上で推移しています。いわゆる上昇途中に現れる「中段もち合い」である可能性が高いこと。また、1992年の高値前後で過去もみ合った水準を意識している点などが理由です。

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仮に、上放れの場合の大きな上値の節目は、2008年7月高値1.6038。そこを上回ることができれば、2008年7月高値~2010年6月安値1.1877までの下げ幅0.4161に対するV計算値の2.0199となります。1985年3月安値0.6444と2000年10月安値0.823とで大勢二番底が形成されると想定すれば、上値余地はさらに伸びる公算が高く、1985年3月安値を起点としたE計算値2.3354なども長期的な上値メドとして見積もることができます。

一方、下値支持線を下回るケースは、2008年7月高値を起点としたE計算値0.7716水準まで下振れリスクが発生します。1985年3月安値からの上昇幅0.8455を、2008年7月高値から下げた背反値0.7583とほぼ同水準です。

もち合い放れのタイミングとして重要なのは、1985年3月安値以降で観測される「817-818週」の日柄を、2000年10月安値から対等させた2016年6月後半。高値のタイミングとしては、2008年4月高値から「817-818週」を対等させた2023年12月後半、2008年7月高値から対等させた2024年3月中旬ごろになります。

目先狙いの投資家には全く、関係のない分析になりましたが、2016年ごろまで収れんしていくイメージは強く持つことができるかもしれません。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ