皆様、はじめまして、新しくこのコーナーを担当させていただくことになりました、トレーダーズ・アンド・カンパニーの東野幸利と申します。前回までの「相場の花道」に引き続き、「相場一点喜怒哀楽」と題して、さまざまな視点から株式市場に対するコメントを書いていきたいと思っております。何回まで続くかわかりませんが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。第一回目となる今回は、私の簡単な職歴をまじえながら、足元の相場のさわりだけでもお伝えできればと思っております。

さて、日経平均ですが押し目らしい押し目もなく上昇が続いておりまして、先を読む上で非常に難しい展開となっています。テクニカル指標面でも、一般的に使用される5日、10日、25日、50日、75日移動平均線をことごとく上回り、その間に一目均衡表の“三役好転”も実現しました。ボリューム面での盛り上がりに欠けますが、これだけ急速に戻る力があるのなら、なぜ8月はあれほどまでに下げたのでしょうか。おそらく誰に聞いても米国発の“サブプライム・ショック・・・”などと口を揃えて発するでしょうね。

一方で、米国株の戻りはもっと凄まじく、10月1日にはNYダウが史上最高値更新となりました。要するに、あのショック安はマーケットの群集心理が極端に下に偏ったために、“振り落とし”が大きかったのでしょう。よく“振り落とし”の後は、相場が上がりやすくなるといわれます。下落時に出来高が増加すれば、その後の相場の戻りが早くなるのと考え方は同じです。よく知られているように、外国人投資家はダメだと思った株は容赦なく売る傾向がありますし、いつも底値を売るのも外国人投資家です。

03年4月に日経平均が7603円の安値を付けにいくとき、私は外国人投資家相手に貸株トレーダーをやっていました。当時、安値を付ける過程で最後の最後まで銀行株の売りニーズは強く、貸株の在庫がすべて無くなったときがちょうど相場の底となったのです。少し話しがそれましたが、日本人の下落局面における行動はどうでしょうか。この4〜5年の間にネット取引が急拡大し、損切りが早くなったせいか、日本株も下落局面で出来高が増えるようになってきています。私はバブル崩壊後の数年間、個人向け営業の株セールスマンでしたが、相場が下がりだして手持ちの株を売却するお客様はほとんどいなかった記憶があります。対面取引が主流の当時は、株投資は一般のサラリーマンが手を出せる時代でもなかったし、お金持ちは少々下落しても、無理に長期投資と決め込んでずっと保有していましたね。それがその後の需給悪化につながったわけです。
さて、相場の話に戻りますが、NYダウは今後どのような動きになるでしょうか。史上最高値更新から上値追いを期待したいところですが、現在伝えられる米国内の経済状況や金融機関のサブプライム関連による期間損失などを考えると、ネガティブな発想の方が、現在のマーケットにおける群集心理に近いのではないでしょうか。もし、“少数意見が勝つ“ということであればどうでしょう。株価が史上最高値を更新したという事実だけを重視し、”材料は後から出てくる”という考え方をベースにすると、現段階でNYダウのさらなる上昇を見込んでも良さそうです。ライブドア・ショックを経て、昨年6月安値以降にジリ高基調をたどった日経平均の動きに似ています。当時の日経平均と同じようにNYダウはダイヤモンド型のもちあいから既に上にブレイクし、新しいトレンドが始まっている可能性も考えられます。この2日間調整していますが、史上最高値更新となった10月1日の高値を超えるような上昇となれば、さらなる上値追いの信頼性が増し、徐々にマーケットの群集心理はポジティブな発想へ変化してきそうな気がします。

(トレーダーズ・アンド・カンパニー 東野幸利)

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