先週、米FBI(連邦捜査局)が、「世界の銀行ATMにサイバー攻撃のリスクがある」という警告を発したと報じられました。そしてその直後、インド第2位の信用組合Cosmos Bankで、銀行の規模の割には大掛かりなATMの不正事件が発生し、金融機関をヒヤリとさせました。

インドでは、6月にATMにネズミが侵入し、200万円分のお札が噛みちぎられるという残念なニュースがありましたが、今回の"侵入者"は高度でした。ハッカーがサーバーを操作し、ATMから預金が不正に引き出されたり、29か国で偽造デビットカードが使われるなどして13億円が盗まれました。但し、これとFBIの警告との関係は不明です。

世界のATMの不正利用件数は増加傾向にあります。ATM協会(ATM Industry Association) による17年のアンケート調査では、銀行の54%がATMの不正事件が増えたと回答しています。

日本はどうでしょうか。昨年度のインターネットバンキングやATMの不正被害は前年度から減少しました。ただし、平均被害額は倍増し、1件当たり292万円にも上りました(金融庁)。

では、どのような対策をとればいいでしょうか。当たり前ですが、まずは暗証番号の見直しです。暗証番号が安直だったり、他人に漏らしたりすると銀行の補償額が25%カットされてしまいます。

また、預金残高をマメにチェックする必要があります。補償を受けるためには、銀行に30日以内に届け出る必要があります。クレジットカードと違って、会社側から「不正の疑いがある」などという連絡はまずもらえません。

現在、預金金利はほぼゼロです。それに加えてこんな被害にあっては目も当てられません。新興国通貨も引き続き心配ですが、身近なリスクヘッジも心がけたいものです。