今、私はニューヨークにいます。マー君の追っ掛けをしている訳ではありませんが、マー君の1時間後ぐらいの飛行機で成田からJFKに来ました。東京は45年ぶりの大雪とのことで、高速道路は閉鎖、成田エクスプレス、京成スカイライナー、更には常磐線、総武線、京成本線まで運休とのことで、文字通り這々の体で、しかし運良く、成田空港まで到達しました。

が、今度は飛行機の出発が大幅に遅れ、更には飛行機に乗った後に荷物はチェックインしたが搭乗しないお客様が数人いて(待ちくたびれて飲み潰れたのでしょうか)、小一時間探せど見つからず最後はチェックインした荷物を探して降ろすことになり、随分遅れてようやく離陸し、空路は穏やかなるも、JFKに着陸したら今度はゲートが前の飛行機に占拠されて使えず、滑走路で1時間ほど待たされ、しかもニューヨークは数時間前から急に雪が降っており、まさにヘロヘロしながらようやくマンハッタンに着いたのでした。恐らく100回以上来てるニューヨーク行の中で、到達までに最長の時間を要したかも知れません。

しかしその原因はたかが雪です。明日には全て溶けてしまうかも知れません。♪富士の高嶺に降る雪も~♪の雪も、先斗町の雪と一緒で、溶けてしまえばただの水です。しかし「態」が変わるだけでここまで人の営みに大きな影響を与えてしまう。人も、みな同じようであり、或いは個々人も、いつもはのんびりとしていても、何かのきっかけで或る人は鬼のように特別な人になり、また或る個人は或る時別人のようになることがあります。「態」が変わるだけで、こうも違うものか。

「水の精神」という丸山薫の詩がありました。もう久しく読んでないな。しかし態を自在に変える水に憧れたものです。理系のようで文系の私は、そんな水の態に翻弄されながらもどこかで愉しんでいるのでした。