トヨタがMR−Sの生産を来夏で打ち切るそうです。トヨタは既にセリカの生産も終了しているので、これでトヨタは国内に於いてはスポーツカーから撤退と云うことになります。時代の流れでしょうか。私はライト・ウェイトのスポーツカーが好きです。
若い頃、トヨタのAE86や4A−Gと云ったコンパクトなツインカム・エンジンを積んだ小型スポーツ車は、憧れの対象でした。大学生の時、友人が初代MR2を乗っていて、一度彼の運転で助手席に乗ったことがあるのですが、その強烈に素早い転回と加速・減速には度肝を抜かれると共に、憧れの気持ちを強くしたものです。
私は中々スポーツカーには手が出ませんでしたが、10年ちょっと前にホンダ・ビートと云う軽四輪ミッドシップ2座クーペに乗って以来、いつも小型ミッド・シップを乗り継いできました。今の愛車は、1800cc、ノーマル・アスピレーション(自然吸気、ノン・ターボ)、2人乗り、乾燥重量が690キロしかない、もちろんマニュアルのスポーツカーです。大して馬力もありませんが、軽いので加速・減速も良く、何よりコーナリングが最高です。パワステも、ブレーキの倍力装置もなく(エアコンも付けられません!)、もちろん足回りも通常のダンパーとサスペンションの組み合わせ、シフトレバーもワイヤーでミッションに繋がっていると云う、正真正銘の機械式クルマです。
しかしだからこそ、カーブでも、クルマにどういう応力が掛かっているかが実感でき、とても楽しく運転できます。スキーをするのと同じような感覚です。馬力がないので、エンジンの回転計を常に真上を向かせるように回します。これがまた楽しい。
要は私は「クルマ好き」ではなく、「運転好き」なのです。シフト・ダウン、ヒール・アンド・トゥ、両手両足を使って運転するのは、体のバランスを崩さず、
健康にもいい気がします。話が逸れましたが、恐らくそんなクルマに対する需要が我が国には低いのでしょう。MR−Sの生産中止は、私の趣味が時代遅れになってきていることを認識させ、ちょっと寂しい思いがしました。