今日の東京はとても暖かい、穏やかな一日でした。11月の暖かな日ですから、正真正銘の「小春日和」です。しかし小春日和が今頃の天気だと云うのが、どうしてもしっくり来ません。以前にも書いたことがあるのですが、小春日和は陰暦十月=小春の暖かな日和のことであり、その語源は徒然草の第155段だと云われています。

『春暮れて後、夏になり、夏果てて、秋の来るにはあらず。春はやがて夏の気を催し、夏よりすでに秋は通ひ、秋はすなはち寒くなり、十月は小春の天気、草も青くなり、梅も蕾みぬ。木の葉の落つるも、先づ落ちて芽ぐむにはあらず、下より萌(きざ)しつはるに堪へずして落つるなり。』

兼好が十月と書いたのは間違いなのか、或いは今頃から梅の蕾は皮下でふくらみ始めていて、それが葉を落としていると捉えたのか。確かにそのようなイマジネーションは、中々味のあるものです。しかし草が青くなるとは、流石に想像も行き過ぎです。私にとっては、小春日和は永遠の謎です。

しかしそんなことはどうでもいい。今日は大手町でのミーティングに、少々早く社を出て小春日和の中を歩いていきました。マーケットも今日の天気のように穏やかになるといいですね。