北朝鮮がミサイルを6発、発射しました。困ったものです。しかし世の中は比較的平然としています。日本の株式市場は売られましたが、その幅はたかが0.7%です。これは平時の通常日の振れ幅と同等、もしくはそれ以下です。
韓国はどうでしょう?ソウルは非武装地帯から50キロしか離れていないので通常ミサイルで届く距離であり、しかも50万発がソウルに向けて並んでいると云われています。それにもかかわらず韓国の株式市場は日本より少なく、0.5%しか売られませんでした。

昔から「有事のドル買い」などと云われますが、為替は殆ど動いていません。こと軍事関連になると日本は極めて「のんき」ですが、このような動きを見ると、のんきは日本だけではないように見えます。否、これはのんきなのではなく、情報に偏りがあるのではないでしょうか?

マーケットは、様々な思惑や情報が入り乱れ、それらを消化した上で価格が形成される場所です。自分が持っている情報から考えるのと違う結果をマーケットが示す時は、それは分析・判断が間違っているか、情報に偏りがあり、自分の知らない情報を他が知っているかのどちらかです。後者の場合は情報の非対称性とも表現できますが、自分が「知らない領域」に陥らないようにすること、或いはマーケットから逆算して「知っている領域」に擬似的に移動すること、或いは分析・判断を修正することが、少なくともトレーダーにとっては重要だと思います。