週末に豊橋に行きました。伊勢神宮は豊橋からは遠いようで、実は伊良湖岬から船で鳥羽に渡ると目と鼻の先にある場所です。そんな訳で伊勢神宮のことが話題に上ったのですが、興味深かったのは式年遷宮です。

大きな神社では、定期的に神殿を造り替えて御神体を移します。これを式年遷宮と呼ぶのですが、やはり伊勢神宮のものが有名で、これは20年に一度行われます。かなり大掛かりなイベントでしょうが、政治的には何年かに一回、革命・反乱などの準備を防ぐために全国から余剰の冨を吸い上げる必要があったのでしょうか。神殿を造る技術や、式典の次第を継承するための工夫でもあるでしょう。信仰心を定期的に刷新する効果も狙ったのでしょうか。伊勢神宮に於いては、1300年前に天武天皇が制定し、以来絶え間なく行われてきたとのことです。

私はこの仕組みの最大の効果は、今見る神殿も、古の時代に見られたであろう神殿も、形と共に新しさまでもが同じであるという認識を人々に与えることではないかと思います。即ち、或る時代に作られた世界・コンセプトを過去のものとしないで永遠の命を与え、言い方を換えると歳を取らない対象を造り上げて、常に同じ感情を人々に持たせる為の仕掛けではないかと。そう考えると、この仕掛けは会社経営などにも使えるかも知れませんね。