今週末の日曜日は立冬です。早いものですが、今日は秋の最後の営業日になります。毎年秋は気が付くともう既に来ていて、あっという間に冬になってしまうという感が強いのですが、古今集を繙(ひもと)くと、四季の中では秋の歌が一番多くあります。クーラーのない古代に於いては夏は暑くて知的活動の落ちる時期であり、涼しくなってきてから一気に創作活動に勤(いそ)しんだのでしょう。

秋の歌にはもちろんいい歌が多いのですが、葉の色が変わることや「移ろっていく」というテーマの歌が多くあります。春と秋は、「変化」中の季節です。そんな中で、普遍を詠んだ歌もあります。

『草も木も色かはれどもわたつうみの波の花にぞ秋なかりける』
                          古今和歌集秋歌下

この歌自体は、単に波の様子を写生的に描いている訳ですが(波はいつでも白いしぶきを上げていて色が変わることがなく、従って波の花には秋は来ない)、
普遍的なものに対する憧憬とも取れます。

ビジネスに於いては、普遍的・継続的な努力を積み重ねることはとても重要です。波のような会社になりたい、とは変な表現でしょうか。