御存知のように、アメリカの大統領選はブッシュ再選に終わりました。これからかの国の民主主義がどのように機能していくのか、興味があります。民主主義とは、多数決で勝った者が全てを決定できるという考え方ではなく、最終的な選択は多数決に依るとしても、少数の意見をどこまで聞き取ることができるかが、その重要な要素なのだと思います。51%対48%の意味をブッシュはどのように斟酌していくでしょうか。アメリカ大統領には再々選はありませんから、余裕を持って対応していくことが可能になるでしょうし、そう望みます。
しかし選挙とは恐ろしいものです。ほんのちょっとの票数の差が、国の方向性に重大な結果の差をもたらし得る。しかも選挙戦の中で、お互いの政策などを極端化しがちです。両候補の政策の違い、最終的得票数の比率を見ると、全体としての国民は中庸を模索しているように見えますが、結果はどうなるでしょう。接戦であればあるほど、即ち国民が中庸を探れば探るほど、選挙戦の中での自らの差別化がエスカレートし、選挙後に中庸に着地することを難しくしないでしょうか。
ケリーが敗戦の弁として、「アイ・ホウプ・ウィ・キャン・ビギン・ザ・ヒーリング」と言ったようですが、ヒーリングが彼自身のためのものではなく、両者間の関係修復を意味し、かつブッシュ側もそれを受け入れ、正しい方向性が確立されて欲しいものです。