先週の中国株ですが、上海総合指数と創業板指数は続落、深セン総合指数と香港ハンセン指数は反発となっています。上海総合指数ですが、週初の1日(月)は下落からのスタートに。7月の中国公式製造業景況感指数が49.9となり、5ヶ月振りに景況感の境目である50を割り込んだことから、中国経済の先行きに対する見通しが悪化しました(ちなみに7月のCaixin製造業購買担当者景気指数は50.6となり、市場平均予想の48.8、6月実績の48.6を上回っています。これは人民元安が景気に敏感な中小企業の業績を加速させているためと考えられます)。また、生命保険最大手の人寿保険(02628)が上半期の業績について65~70%の減益になると発表したことから保険株が全体的に売られました。人寿保険(02628)が大幅減益となった主要因ですが、2015年上半期は中国本土株が急騰していたため、運用収益が大きく上がったのに対し、2016年上半期は株式市場の低迷が続いたため、前年比で運用収益が大幅に減少したことによるものです。これは保険株全般の傾向と言えるでしょう。

続く2日(火)~4日(木)は堅調で小高い推移となりましたが、5日(金)に反落となり、上海総合指数は週間では前週末比で若干のマイナスとなりました。3日(水)に国家発展改革委員会(NDRC)が適切な時期に金利と預金準備率を引き下げて経済を支えるとのコメントをサイトに掲載したことから、一時的に金融緩和への期待が大きく膨らんだのですが、その後この部分が削除され、金融緩和への期待感はすぐに後退しました。なお、個別では恒大集団(03333)が万科企業(02202)のA株を発行済み株式の4.68%分購入したことを発表したことから、万科企業(02202)の株価が急騰。深セン総合指数の上昇を牽引し、深セン総合指数は前週末比で小幅なプラスとなっています。

一方、先週の香港市場は8月2日(火)が台風のために休場となり、4営業日の取引となりました。週初1日(月)は米国の第2四半期のGDPが予想よりも悪かったことから利上げが更に後ろ倒しになるとの観測が広がり、上昇からのスタートとなりました。しかし、3日(水)は5週間振りの大幅下落。米国株が軟調な動きとなったことや、原油安で石油株が売られた他、サンフンカイ(00016)などの不動産株も利益確定の売りで下落しました。また、4日(木)の夜に英国の中央銀行(イングランド銀行)が金融緩和に動かなかった場合、世界的なリスクオフになるとの警戒感も株価引き下げの要因となりました。しかし、自社株買いを発表したHSBC(00005)が大きく上昇し、イングランド銀行も予想通り金融緩和を発表したことから、4日(木)と5日(金)は上昇となり、香港ハンセン指数は前週末比プラスで引けています。

続落となった上海総合指数ですが50日移動平均線が下値支持線となっており底堅い印象です。一方、香港ハンセン指数は年初来高値更新を目前にしており、50日移動平均線を200日移動平均線が上に突き抜けるゴールデンクロスが発生しています。このように中国株が堅調なのは人民元安効果が期待されていることに加え、香港株は米国の利上げの後ろ倒しの好影響が期待されていることにあります。今週は香港ハンセン指数の年初来高値更新が期待できると思います。

コラム執筆:戸松信博
(グローバルリンクアドバイザーズ 代表取締役社長)