大量破壊兵器は本当にあるのか否か。実際に証明するには膨大な人数と時間が必要でしょう。戦争をする、しないの分析にも、膨大なデータ処理や思考プロセスがあるでしょう。そしてもし戦争になったら、これも膨大な人数と資源を費やします。しかし兵器の存在を判断するのは最終的には少ない数の人間ですし、戦争をするかしないかを最終的に決めるのも、やはり極少数の人間です。まして相手との最終的な交渉をするのは通常「一人の人間」です。まぁ、主演男優(もしくは女優)とでも仮に呼びましょうか。交渉の相手は「個人」の場合もありますし、世論の場合もあります。アメリカとイラクを見ていると、ブッシュとフセインという必ずしもコミュニケーションが上手でない2人がその主演男優の筈なのですが、アメリカはパウエルの国内外の信認を考慮してか、主演男優の役割をブッシュと分担させているように見えます。一方イラクでは、アミンという国家監視局長が最近では主演男優として活躍しています。このアミンが、中々の役者です。先日アミンの記者会見をテレビで見たのですが、グッと聴衆を惹きつける力があります。
たかが個人、されど個人。このような世界的に極めて重要で、個人の力でどうこうなるものでないような局面でも、やはり個人の力は恐るべきものがあるとつくづく感じます。