日銀新総裁に元日銀副総裁である福井俊彦氏が決定したらしい。以前からつぶやきで書いているように、日銀総裁は政治職でも象徴職でもなく、正真正銘の現業であり、金融の専門家がなるべきだと考えてきました(本年1月16日付つぶやき参照)。その意味で、福井氏が新総裁になることはとてもいいことだと思います。福井氏であれば海外の金融当局者とのパイプも太いし、(僭越ながら)人物としても申し分ないと思います。ひとまず資本市場にとってはニュートラルだと思いますが、長い目で見て日本の金融・資本市場の信認を高めて行ける人選だと思います。デフレ・スパイラルからの脱却という未曾有の挑戦の責務は重大ですが、幅広い多様な意見も聞き入れながら、果敢に、そして高い独立性を維持して、この問題に向かって行って頂きたいと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。