全米第2位の長距離通信会社ワールドコムが連邦破産法11条の適用を申請しました。事実上の倒産です。ワールドコムは約4600億円の費用を将来に繰り延べて計上していたと言われています。仮に5年間に亘って繰り延べていたとすると、今年も1000億円の損、来年も1000億円の損、と5年続けるつもりだった訳ですが、本来は一括して4600億円の損を計上すべきだったということです。一方日本の大手銀行は、過去10年間で毎年平均8兆円弱の新たな不良債権処分損(貸倒引当金繰入額と貸出金償却額などを足したもの)を計上してきています。ワールドコムは事件発覚から数週間で株価がゼロまで行きましたが、邦銀の株価は新たな不良債権処分損が発生しても何のその、さ程は売られません。アメリカでは事件発覚後1、2ヶ月で既に政府が対策を打ち出し、その内容は不正会計を行なった経営者を厳しく罰するものでした。日本ではいつまで経っても出続ける不良債権問題に対して、政府は何年間も議論を続け、最後に公的資金(税金)を投入しました。勿論内容は大きく違いますが、こうやって並べてみると随分違うなぁと、私は思います。