どこの市場もサッパリしません。金融商品総崩れ的様相です。これはやはり資本市場の本丸であるアメリカ市場に於いて、コンフィデンスに傷がついたのが唯一最大の理由でしょう。日本ではかなりの停滞感がありますが、欧州でも然り、事の発端であるアメリカに於ける不安感・焦燥感は更に遙かに大きいものでしょう。昨年9月のテロのショックもかなり大きいものでしたが、あの時はその攻撃に対して闘おうとする民意がありましたし、その民意を背景にしたリーダーシップもありました。しかし今回はどこかずるずるとしています。実態はさして変わっていない。コンフィデンスの水準が変わっただけです。以前にも書きましたが、経済活動は全て信義則というか相手に対する信頼、全体に対するコンフィデンスに大きく依存しています。そしてコンフィデンスを取り戻す要因・過程は、外部から来るのではなくて、いつも内部から沸いて来るもの、或いは内部から出し合うものであることを忘れてはいけないと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。