2月25日土曜日、弊社では東京ドームシティで年に一度の「お客様感謝デー」を開催させていただきました。2,000人前後の方々にお越しいただき、別途オンラインでも多数の方々にご視聴いただき、心から感謝申し上げます。

私も、昨年マネックスに入社し、初めて感謝デーに参加、プレゼンテーションと最後のパネル・ディスカッションで登壇させていただきました。パネルでは、外部から岡崎良介氏と志摩力男氏、弊社から松本大、広木隆、私という5名で、大橋ひろこアナの司会のもと、相場見通しとおススメの資産配分を1時間討議しました。

中でも興味深かったのは資産配分でした。海外株式の比率が高い人や、国内株式重視の人、米国のローンや劣後債など少し毛色の違う資産を入れている人など、5名それぞれ、個性溢れる内容でした。

ただし、ここにはおそらく登壇者それぞれの前提が違う部分があると思いました。それは、どれだけの頻度で資産の見直しを行うのか、という点です。今回は、あまり頻繁に見直さない前提で、トランプ氏の政策や欧州の選挙などの不確実性の高さから、資産の機動性を重視し、現預金などの比率を高めにしていたという印象です。しかしこれが、日々資産を見直す機関投資家だったらまた違う推奨になったかもしれません。

では、運用資産はどのくらいの頻度で見直すのがいいのでしょうか。行動経済学者ダニエル・カーネマン氏、リチャード・セイラー氏等の共同研究によれば、人はあまりに頻繁に資産を見直すと、損失を見るのがイヤなので(有名な「損失回避バイアス」です)、ついつい保守的な運用になりすぎ、リターンが落ちる傾向が見られるといいます。このため、最適な見直し頻度は、なんと「一年に一度」だそうです。そんなにほったらかしでいいのかしら、と不安にもなりますが、それほど人々の損失回避バイアスは高いということなのでしょう。

弊社の感謝デーは、来年また同じ頃に開催させていただくと思います。今回の感謝デーを参考に運用資産を考えていただいた方々、またぜひ来年の感謝デーで、見直しをご検討いただければと思います。