今朝の東京は夜半からの強い風のせいで空には雲一つ見当たりませんでした。こういう時の空の青色は、いつもよりちょっと落ち着いた濃い青色で、普段見慣れたもう少し薄くて黄色っぽい空色はスモッグなどによって汚されたものであることに気づきます。そう言えばセイシェルやモルジブの写真集などに見る空はもっともっと濃い色をしています。その濃い青色の空に、今日は白い月が浮かんでいました。朝方に西の空に見える、右に弦を持ち左側が白くまるで雲のように見える月。沈む時に弦が下にあるので下弦の月と言いますが、夕方に東の空に明るく光る上弦の月と比べると随分と趣きが違います。
「夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月やどるらん」(『古今和歌集』 巻第三 夏歌)
平安時代から夏の風物詩だった白い月は明日も見えるでしょうか。