ネット上の所謂「風説の流布」が問題となることがしばしばあります。何らかの形で規制しようという意見もありますが、私はその考えに基本的に反対です。どんな勝手なことでも簡単に書けるし、その内容の正当性の証明が為せれず、その情報を信じてしまうこともあるからというのが規制派の論点です。しかしこの問題は検閲とか言論の自由の問題として慎重に論ぜられるべきだと思います。マス・メディア、特に全国紙やテレビの地上波が報じるニュースにしても必ずしもその情報が正しいとは限りませんし、その内容の責任の所在も不明な場合が多いと思われます。逆に、マスなメディアが報じるとそれは「正しい」と誰もが推定してしまうという厄介さもありますし、ネット上であれば反対意見も自由ですがマス・メディア相手だと不可能です。また内容が仮に間違っていてもあとから訂正されることは稀です。ネット上の風説の流布を規制することは、「検閲」を容認する結果となり兼ねませんし、マス・メディアの影響力の大きさと彼らに与えられている権利との対比において極めて大きな問題があると私は思います。