車の運動性能などを考える時に、サスペンションにぶら下がっている部分の重量、即ちばね下重量をなるべく低く抑えようとします。エンジンの出力とタイヤの摩擦力が一定であれば、ばね下の10キロもシートの重さの10キロも関係ないように思えますが、実際には運動性能に与える影響は大きく違います。これは例えば10キロのリュックサックを背負ってもかろうじて走ることは可能でしょうが、5キロの鉄下駄を両足に履いて走ることはまず不可能であろうことを想像すると良く分かります。不勉強なので間違っているかも知れませんが、これは慣性モーメントの問題でしょう。このように同じモノでもそれがある場所によって全体に与える影響は大きく変わり得ます。機械だけでなく、人や資金の配分などにも同じことが言えるでしょうね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
-
ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。