私は、ロングヘアーで、パーマをかけていて、髪の色が少し茶色いです。実は地毛が少し茶色く、中学生の頃、「髪を染めているんじゃないか」とよく言われました。生まれつきなので黒く染めることはしませんでしたが、当時は先輩の目線が怖く、先生に説明するのも嫌でした。親に「娘の髪は地毛です」と学校へ伝えてもらったこともあります。

先日、その時に感じた違和感を少し思い出す出来事がありました。私のヘアスタイルについて、「経営者らしさ」が欠けているのではないか、というコメントをもらったのです。他社の女性役員を参考にしてほしい、と。「経営者らしい髪型」とは、どんなものでしょうか。落ち着いた色で、きっちりまとまったショートヘアでしょうか。

もちろん、見た目や第一印象がコミュニケーションに与える影響はあります。清潔感も含め、話し方や表情、服装など、「どう伝わるか」を意識することは、立場的にも大切だと思っています。一方で、「経営者らしい髪型」という言葉には、少し立ち止まりたくなりました。

社会には、「こういう人は、こう見えるべき」という無意識のイメージがあります。特に、「経営者」「管理職」「リーダー」といった立場には、なおさらかもしれません。でも、本当に大切なのは髪型ではなく、どんな判断をするか、どんな言葉で説明するか、どんな責任を引き受けるか、どんな未来を描くか、そして、どれだけ誠実に向き合うか、ではないでしょうか。

今回いただいたご意見は、きちんと受け止めたいと思っています。信頼していただけるよう、見せ方も含めて努力していきたいです。ただ、「型に合っているかどうか」だけで人を評価することには、少し慎重でありたいとも思っています。 

私たちは無意識のうちに、「らしさ」で人を見てしまうことがあります。「こうあるべき」「普通はこう」「ちゃんとして見える形」。そこから少し外れると、理由より先に違和感を抱いてしまう。でも、本当に見るべきなのは、「その人が何を考え、どう行動しているか」なのではないでしょうか。

誰もが、自分らしさを保ちながら挑戦できること。そして、「らしさ」という型ではなく、その人自身を見られること。そんな、個をエンパワーできる社会にしていきたいと思います。