今夕からミニ株開始です。実は昨晩テスト用にいくつかミニ株のオーダーを入れました。その結果今朝の寄り付きでマネックスの自己ポジションが発生しました。つまりお客様が10分の2単位ミニ株を購入すると、証券会社としては1単位取引所に買いに行くので、差分の10分の8単位がマネックスとして買い持ちのポジションになる訳です。そこからマーケットが上がれば儲かりますし、下がれば損が出ます。そのようなポジションから発生する損益のブレを抑える為の行為を「ヘッジ」と言います。ミニ株のヘッジの手段は決め手がありません。マーケットが上がるか下がるかは半々の確率の筈ですから(これをリスクが対称形をしていると言います)、乱暴に言うと一切ヘッジをしなくても理論的な期待損益はゼロの筈です。しかしそうすると損益のブレが激しくなります。個人投資家の投資判断がマーケット全体(これは機関投資家を含みます)よりも賢いと仮定すると、個人投資家と同じ方向で発生したミニ株銘柄の買い持ちポジションに対して、全体のエクスポージャーを日経平均指数(もしくはTOPIX)で売りヘッジを掛ければ、買い持ちポジションから上がる益の方がヘッジから発生する損よりも大きいか、買い持ちポジションから発生する損よりもヘッジから発生する益の方が大きくなり、結果としてマネックスとしては損益のブレを低く抑えつつ、ヘッジによって利益を上げることもできます。本当にそううまく行くでしょうか?個人投資家の皆さんと運命共同体ですね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。