今日、アメリカの西海岸にある大学のビジネス・スクールの学生が40人ほどマネックスに来ました。マネックスの従業員よりも多い人数ですから、当然中に入れる由もなく、同じビルの他の会社の大会議室を借りてお相手しました。大型バスで乗りつけ、男性も女性もダーク・スーツで身を固め、人種的には混合、平均年齢は28ぐらいかなといった感じでした。予め私から出してあったテーマについての彼らの研究の結果を聞き、その後私からマネックスのビジネス・モデルを説明したり、オンライン証券の戦略についていろいろとディスカッションしました。彼らの薦める戦略がどうもハイ・エンド・ユーザー寄りに偏っている気がしたので、「この中で株のトレードをしているのはどのくらいいるんだ?」と聞いたら9割方の学生が手を挙げ、「オンライン証券は?」と聞くとほぼ全員が手を下ろしませんでした。日本とは全く状況が違います。経験や背景の違いをしっかりと認識しないで議論をするのは危険だねと言っておきました。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。