モトリーフール米国本社– 2026年4月26日投稿記事より

アップル[AAPL]が迎える3人目のリーダー、ジョン・ターナス氏はハードウェア・エンジニアリングを担当

アップル[AAPL]は、世界的に有名なiPhoneを中核に、「デバイス帝国」を築きました。調査会社カウンターポイント・リサーチによると、iPhoneは2025年、世界で最も売れたスマートフォンで、上位10機種のうち7機種をiPhoneが占めました。同社はタブレット型コンピューターのiPadからスマートウォッチのApple Watchに至る関連製品でも世界を席巻しています。

これらの画期的な製品によって、アップルの2025年9月期純利益は1,000億ドルを超え、時価総額は4兆ドルに達しました。こうしたイノベーションを支えたのは2人のリーダー、すなわち、共同創業者で元最高経営責任者(CEO)のスティーブ・ジョブズ氏と現CEOのティム・クック氏です。ジョブズ氏はしばしば「創造的イノベーター」と評され、クック氏は経営の専門家として知られています。2人はいずれも、今日のアップルが世界トップクラスのテクノロジー企業へと変貌する上で、大きな役割を果たしました。

今回、アップルに3人目のリーダーが加わることになります。2026年9月1日付で、クック氏はアップルの経営をジョン・ターナス氏に引き継ぐと発表しました。現在ハードウェア・エンジニアリングを担当する上級副社長のターナス氏がCEOに就任し、クック氏はアップル取締役会のエグゼクティブ・チェアマン(執行会長)に就任します。この大きな転換を前に、今アップル株に投資をするタイミングなのか。

ティム・クックCEOの功績:端末の購入だけではなく、データストレージやエンタメサービスの継続購入で売り上げを伸長

これまでのアップルの歩みを振り返ってみましょう。ここ数年、クック氏は数々の成果を上げてきました。市場においてアップル製品のリーダーシップを維持したことに加え、同社の膨大なユーザー基盤をサービスの売上へとつなげることに成功しました。

クック氏の指揮の下、実際に稼働しているアップル製デバイスのインストール・ベースは25億台を超え、これらのユーザー向けに提供される多様なサービスが、アップルに莫大な売上を継続的にもたらしました。つまり、iPhoneの購入で終わるのではなく、ユーザーがデータのストレージやエンターテインメントなどに支払いを続けることで、売上が伸びていくという考え方です。クック氏はこれを重点戦略とし、その結果、サービス事業の売上は、足元で1,000億ドルに達しました。

これら全ては素晴らしい成果ですが、近年アップルが後れをとってきた分野が1つあります。それは、ここ数十年で最も注目されている技術の1つである人工知能(AI)の導入です。同社は2024年にApple Intelligenceと呼ばれる一部のAI機能を発表しましたが、AIの導入作業はまだ進行中です。そのためアップルの利用者は2026年中に期待される音声アシスタントSiriのアップデートを心待ちにしています。

AIをいち早く取り入れたテクノロジー企業の株価が上放れる中、アップルの株価は数歩出遅れた状態が続いています。そのため、AIへの取り組みや製品イノベーションは、同社にとって注力すべき分野だと考えられます。新CEOとなるジョン・ターナス氏がここで成果を上げれば、投資家から歓迎される可能性があります。

今後の成長を大きく加速させる可能性のある次の一手は?

ジョン・ターナス氏はキャリアのほぼ全期間をアップルで過ごし、現在の役職に就いた2021年に経営幹部チームに加わりました。ターナス氏は「開発畑の人物」と見られるかもしれません。これは、ターナス氏がiPhoneやAirPodsといったデバイスを現在の姿にしたハードウェア・エンジニアリングに深く関わってきたからです。AirPodsについて言えば、同氏が率いるチームは、ノイズ・キャンセリング機能や補聴器機能といった技術の開発を主導しました。

アップルは今回の決定について、「慎重かつ長期的な後継者計画プロセスに基づくもの」と述べており、同社はターナス氏のCEOとしての適性を以前から評価してきた可能性があります。

これらすべてを踏まえ、この経営トップの重要な交代を控えた今、アップルへの投資を検討したほうがよいのでしょうか。クック氏はアップルで多くの成果を上げてきましたが、まだやり残したことがあります。前述のように、今後の成長を大きく加速させる可能性のある次の一手は、AI戦略や製品イノベーションと大きく関係しているかもしれません。

製品エンジニアリングが専門のターナス氏は、確かな経験に基づいた貴重な視点をアップルにもたらすかもしれません。また、クック氏が執行会長として引き続き在籍するため、戦略が大きく変わったり、一夜にして急激な転換が起きたりすることは考えにくいでしょう。したがって、筆者はこの経営トップの交代が会社や投資家にとってリスクが高いとはみていません。

しかしこれは、トップ交代で何も起こらないという意味ではありません。ターナス氏はアップルの歴史に自らの名を残すことに意欲的かもしれず、弱点となっている分野や可能性を秘めた分野に積極的に打って出る可能性もあるでしょう。そのため、この巨大テクノロジー企業の株を買っておくことは良い選択肢の1つかもしれません。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Adria Ciminoは記載されたどの銘柄の株式も保有していません。モトリーフール米国本社はアップルの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、情報開示方針を定めています。