会社の近くの神田の薬局で買い物をしたら、レジの横に小さな箱が置いてあり、一円玉が10から20枚ほど入っていました。ですから全部で10円か20円です。箱の上には小さな紙が貼ってあって、「一円玉が足りない時にお使い下さい。使った額はまた今度お買い上げされた時にでも返して下さい。」と書いてありました。私の買い物は何千何百何十2円で、一円玉を1枚も持っていなかったのでありがたく2枚使わせてもらいました。今度買い物をした時にきっと返します。その時にまた一円玉を持っていなかったら、今度はちゃんと一円玉でお釣りをもらって余計に返すこともできます。こんな余裕っていいですよね。文化は余裕や余剰の隙間に生まれるとか言いますけど、ちょっとしたバッファーが多くのことをスムーズに回せることが良くあります。システム然り、人間関係然り、居住スペース然り。投資もやはり余裕をもってするのが一番だと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。