大変お世話になった先輩が、年齢を区切りに仕事を離れられることとなり、その慰労会がありました。その席で、これまで仕事に追われてできなかったことを、これからはひたすらやっていきたいと自然に語っておられたのが、とても印象的でした。
仕事をしていると、毎日は予定に沿って整えられています。生活に一定のリズムが生まれる一方で、行く場所や会う人は限られていきます。
ある研究では、社会との交わりはスマイルカーブの形状で、若い頃に高く、中年期にいったん細り、その後ふたたび広がるとされています。そうすると、今の自分はまさにその細っている時期にいます。忙しさを理由に、自分の世界を狭めていないか、そう意識しておく必要がありそうです。
日々の型が外れると、かえって行動範囲を広げ、これまで接点のなかった相手とも出会いやすくなるのでしょう。年齢を重ねた後の時間は、社会とのつながりが細る時期として語られがちですが、実際にはむしろ人との交わりが広がり、新しい関係や経験が増えていく面もあるのだと思います。
年齢を重ねることは、可能性が小さくなることではなく、自分の時間を自分の意志で使い直せるようにもなります。やれなかったことを惜しむのではなく、これからできることへと気持ちを向ける。その率直な意欲と行動力に励まされました。Iさん、本当にお疲れさまでした。
