今、海外出張の帰国途中、空港でこれを書いています。今回は米国子会社のTradeStationのフロリダ本社の前に、中南米を訪れました。初めてのブラジル・サンパウロでは「Brazil Japan Startup Forum 2026」で登壇した他、いくつかのFinTech企業も訪問しました。あくまで短い滞在での印象ではありますが、その中で感じたのが、「あれ?ブラジルと日本は意外と似ている?」ということです。文化も発展段階も異なる地球の裏側にある国なのに、ビジネスの現場や制度には不思議と共通点があるように感じました。

一つは、「ローカライズ前提の市場」であること。グローバルで成功したプロダクトも、そのままでは通用しません。日本もブラジルも、言語やUIにとどまらず、品質への期待や商習慣、制度の細部まで「現地仕様に作り替える力」が問われます。特にブラジルは、ルール変更の頻度や税制の複雑さもあり、外から入ると想像以上に手強い市場だと学びました。

もう一つは、「人との関係が成果を左右する」こと。日本では信頼関係や合意形成、ブラジルでは紹介やコネクションと、形は違えど、どちらもビジネスは「つながり」の中にあります。そしてブラジルの人はいつも明るく、日本でいう「おもてなし」にも通じる温かさで迎え入れてくれました。

さらに、「規制が参入障壁である」という点も共通しているのかもしれません。日本は緻密さで、ブラジルは複雑さと変化の速さで、結果的に参入が難しくなる。いずれも規制対応は単なるコストや守りではなく、むしろ戦略そのものだと感じました。

ただ、「動き方」は対照的です。日本は失敗を避けて最適化する社会、ブラジルは変化の中で機会を取りにいく社会。似た構造の上で、まったく違うゲームが展開されているようにも見えます。違いだけを見れば共通点を見落とし、共通点だけを見れば違いに足をすくわれる。そんなことを実感した出張でした。

なお、個人的には、何より「無事に帰れる」ことに安堵しています(笑)。ブラジルでは「携帯は手に持つな、前ポケットに入れろ、テーブルに置くな」と言われ続け、なかなかの緊張感でした。結果、ほぼ手ぶらで移動することになり、サンバのライブバーに行ったときも、何度もポケットの中身を確認していました。何も盗まれず、むしろ持ち帰るもののほうが多い出張でした。