アメリカ合衆国第5代大統領モンローは、欧州、米州間の内政不干渉をアメリカの外交政策の原則としました。孤立主義、あるいは不干渉主義と言われるこの考えは、いつしか民主主義の擁護という大義の下に、他国において予め情報を摂取し、問題が起きないように警察活動をする主義に、微妙に、そして大胆にすり変わっていきました。面白いのは、アメリカ人にモンロー・ドクトリンって何?と聞くと、不干渉主義とは全く逆の答えが返ってくることがママあることです。一旦主義という名前がついてしまうと、その解釈や使われ方は、時代や情勢によって変化していくものなのでしょう。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。