丼ものは食べるだけでなくて、眺めても中々楽しいものです。私が言っているのは、器ではなく、丼の中身です。中でももっとも見応えのあるのは、正確には丼ものとは言えないかも知れませんが、ラーメンの丼です。麺がある一定の規則を持って、然しながら所々ほころんで畝っている。いろいろな色や形の具が、それぞれ自己を主張しつつも、全体の調和を考えて、整然と、然しやはり所々乱れて並んでいる。或る人が、「これは1つの小宇宙である」とどこかで書いていましたが、いきなり鳴門巻なんて言う小宇宙の中にまた1つの小宇宙があったりしますし、さらによく見ると器の内側にぐるぐると唐草模様があって、これは宇宙の外にまた宇宙があるようで、一大フラクタル・ワールドです。(お汁を全部飲み干すとまた1つ宇宙が出現することもあります。)
面白いですね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。