丼ものは食べるだけでなくて、眺めても中々楽しいものです。私が言っているのは、器ではなく、丼の中身です。中でももっとも見応えのあるのは、正確には丼ものとは言えないかも知れませんが、ラーメンの丼です。麺がある一定の規則を持って、然しながら所々ほころんで畝っている。いろいろな色や形の具が、それぞれ自己を主張しつつも、全体の調和を考えて、整然と、然しやはり所々乱れて並んでいる。或る人が、「これは1つの小宇宙である」とどこかで書いていましたが、いきなり鳴門巻なんて言う小宇宙の中にまた1つの小宇宙があったりしますし、さらによく見ると器の内側にぐるぐると唐草模様があって、これは宇宙の外にまた宇宙があるようで、一大フラクタル・ワールドです。(お汁を全部飲み干すとまた1つ宇宙が出現することもあります。)
面白いですね。