東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、大幅反発となりました。前日比312円高の38,232円で寄り付いた日経平均は、前場は緩やかに上げ幅を拡大し、10時30分ごろには38,600円を超えるなど、一時700円を超える上げ幅となりました。買い一巡後には利益確定の売りが上値を抑え、前場は556円高の38,476円で引けました。

後場に入ると前日比800円近く上昇し、38,718円と本日の高値を更新しました。その後は高値圏で、もみ合いの展開が続き、最終的には732円高の38,651円で取引を終えています。

新興市場では、東証グロース市場250指数が反発し、前日比2%上昇しました。

2.個別銘柄等

前日の日経平均は、石破茂新政権の政策に対する警戒感から1,910円安と今年3番目の下げ幅で終えました。同氏がアジア版北大西洋条約機構(NATO)の提唱者で、防衛やアジアの安全保障政策に精通するとし、石破新首相関連銘柄として三菱重(7011)が一時9.6%高で最高値を更新、その他にも川崎重工業(7012)が一時9.9%高、IHI(7013)は一時7.9%高などと防衛株が上昇しました。

しまむら(8227)が減益予想から一転し増益となり、一時、前日比491円(6.3%)高の8,315円と大幅反発となりました。9月30日に発表した2024年3~8月期の連結決算は、営業利益が前年同期比4%増の314億円、純利益も5%増の221億円と従来の減益予想(4%減の202億円)からの上振れが好感されています。

同じくアパレル大手のアダストリア(2685)も決算を背景に一時6.9%高まで上昇しました。9月30日に発表した2024年3~8月期の連結決算は、営業利益が前年同期比4%減の99億円であったものの、会社側が想定していた営業利益計画を上振れしたことが好感されています。また、国内証券アナリストからは、実質賃金増加に伴う、消費への波及が先行きの売上後押しへ期待されるとの声もあります。

ソフトバンクグループ(9984)が一時、前日比284円(3.4%)高の8,711円まで上昇しました。「SBG傘下のビジョン・ファンドが、米オープンAIに5億ドル(約710億円)を投資することで合意した」といった報道を受け、同社が成長分野として注力する人工知能(AI)事業にとって、追い風になるとの期待から買いが集まっています。

東京建物(8804)が反発し、午前に前日比74.5円(3.2%)高の2,371円まで上昇しました。国内証券のアナリストリポートにて、同社の来期(2025年12月期)から始まる新しい中期経営計画では、収益不動産に加え固定資産売却による利益成長の見通しや、政策保有株売却の具体的な計画、株主還元の改善などが示されると予想、また投資判断と目標株価も引き上げられたことが反発につながりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は、前日に急落した反動から自律反発狙いの買いが入り、反発して取引を終えました。節目の38,000円を早々に超えると、後場には一時800円高近くまで上昇し、その後は高値圏でもみ合いの展開となりました。

明日に向けて、経済指標では本日23時発表のISM製造業景況感指数の9月分公表値に注目が集まります。直近2ヶ月において、同指標が市場予想を下回る結果が続き、米の景気減速が懸念されたことをきっかけに株価はネガティブな反応を見せました。9月分の市場予想値は47.5となっており、この市場予想値に対する結果に注目です。

また、米国ではナイキ[NKE]のほか、日本では明日10月2日引け後に西松屋(7545)の決算が控えています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)