リスクは損益の振れ幅の目安であって、収益の目安ではないという話をしましたが、ではリスクとは「大きさ」であって、「方向」は本当に無いのでしょうか?リスクが1つであればそう言えます。しかし複数のリスクを取ると、それらの中にはお互いに干渉して全体のリスクが若干小さくなることがあります。例えばAという株のリスクが100で、Bという株のリスクが50だったとします。AとB両方を持つと、リスクの総額は最大で150、最少で50になります。(通常は130とか140でしょう) 50になる場合とは、Aが1円上下すると、Bは常に逆向きに1円上下する(下上する?)場合です。
これがノーベル賞も取ったモダン・ポートフォリオ理論の基本です。このような特性をよく理解して分散投資することにより、全体のリスクを押さえ気味にしながらリターンを向上させることが可能になります。長い期間に亙って安定した成績を残す投信とは大概こういうものです。