東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に7日続伸となりました。44円高の28,537円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分弱で106円高の28,599円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むとマイナスに転じ10時10分前に78円安の28,414円まで下落しました。しかし、下げ渋ると午後に入って再び買いがやや優勢となり結局21円高の28,514円で取引を終えています。一方で新興株は軟調で東証マザーズ指数が小幅に下落となっています。
2.個別銘柄等
先週末の米国市場で市場予想を上回る決算を発表した金融大手のJPモルガン・チェース(JPM)やシティーグループ(C)が大幅高となった流れを受けてメガバンクが堅調でした。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時2.7%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時2.5%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時2.1%高となりました。
三陽商会(8011)も一時9.3%高となりました。東証プライム市場の上場維持基準の適合に向けた取り組みで流通株式時価総額が適合水準となり、すべての基準に適合したと発表したことを好感した買いが入りました。
本決算を発表したドトール・日レスホールディングス(3087)も一時10.5%高となり年初来高値を更新しました。新型コロナウイルスの感染拡大を背景にした営業規制がなくなり「ドトールコーヒーショップ」などの売り上げ回復が見込まれることなどから2024年2月期の営業利益が前期比で2.5倍となる見通しを示したことで上げ幅を大きく広げる場面がありました。
また、投資判断と目標株価の引き上げを受けて横浜ゴム(5101)や日本航空電子工業(6807)が高く、横浜ゴムが一時8.7%高となり上場来高値を更新したほか、日本航空電子工業も一時3.7%高となりました。
一方で上期決算を発表したジンズホールディングス(3046)が14.2%安となり年初来安値を更新しました。新型コロナウイルス禍が収束しつつあることで回復を見込んでいた眼鏡の国内販売が伸び悩んだことや、下期にてこ入れのために広告宣伝費を集中投入することなどから通期の業績予想を下方修正したことで売りが膨らみました。アルプスアルパイン(6770)も3.3%安となりました。車載機器を中心に原材料のコスト増が重荷となったほか、スマホやパソコンの需要低迷で電子部品も振るわなかったことなどから通期の営業利益の見通しを下方修正し一転して減益予想となったことで大幅安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は21円高となりました。米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が講演で一段の利上げが必要だと語ったことで先週末の米長期金利が上昇しドル円が円安に振れたことから買いが優勢となりました。節目の28,500円を回復しましたが、28,600円を前に伸び悩むと売りが優勢になる場面もありました。
しかし、先週末までの6日間で1,000円以上上げていたことからすると上値が一旦重くなるのは当然で、利益確定の売りをこなして小幅ながら上昇となったことで地合いの堅調さが改めて意識されそうです。なお、日本時間の21時30分には4月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数が発表される予定です。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )