東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅に3日続伸となりました。31円高の27,549円で寄り付いた日経平均は直後にマイナスに転じ12円安の27,505円まで下落しましたが、節目の27,500円を割り込むことなく下げ渋ると直ぐにプラスとなり10時30分過ぎに170円高の27,689円まで上昇しました。その後一旦伸び悩むと前引け間際に99円高の27,618円まで上げ幅を縮める場面もありました。しかし、後場に入って再び上げ幅を広げ引けにかけて一段高になると大引け間際に379円高の27,897円まで上昇し結局365円高の27,883円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)が6.2%高となり、日経平均を1銘柄で62円押上げました。投資先の中国電子商取引大手のアリババ集団が6つの事業グループに会社を分割・再編すると発表し、昨日の米国市場でアリババ集団(BABA)の米預託証券(ADR)が14%以上上昇したことから大幅高となりました。ブイ・テクノロジー(7717)も10.4%高となりました。海外大手ディスプレイメーカーが実施した新工場の競争入札に参加し、露光装置および検査装置を約100億円で落札したと発表したことで大きく上げ幅を広げました。また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのが山崎製パン(2212)やサンリオ(8136)で、投資判断と目標株価の引き上げを受けて山崎製パンが4.1%高、目標株価の引き上げを受けてサンリオも3.9%高となりました。
さらに東証スタンダード市場では投資用不動産などを手掛けるレーサム(8890)が16.3%高となりました。主力の資産価値創造事業で大型物件の売却が実現したことや、当初想定よりも高い利益率での物件売却が実現したことなどから通期の営業利益の見通しを125億円から138億円に上方修正したことで買いを集めました。一方で同じく東証スタンダード市場では東京インキ(4635)が7.1%安となりました。インキ事業で主力のオフセットインキが原材料価格の上昇分を吸収できず当初計画より利益が大幅に低下したことなどから通期の営業損益が赤字に転落する見通しとなったことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は365円高となりました。ドル円が円安方向に振れたことに加え、3月期末の配当を狙った買いや、パッシブファンドの配当の再投資に絡む先物買いもあり上げ幅を大きく広げました。こうしたなかで昨日に上値を押さえられた25日移動平均線(27,613円)を本日はしっかりと超えてきましたが、明日は権利落ち日で250円程度とみられる配当落ちがあるなかでそれを埋めて25日移動平均線を引き続き維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)