東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて大幅続伸となりました。254円高の28,182円で寄り付いた日経平均は直後に226円高の28,153円を付けた後上げ幅を広げ9時30分過ぎに358円高の28,285円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと10時20分前に252円高の28,180円まで上げ幅を縮めました。しかし、その後再び上げ幅を広げ11時過ぎに361円高の28,288円まで上昇すると332円高の28,259円で前場を終えました。355円高の28,283円でスタートした後場の日経平均は小動きとなり28,200円台で推移すると結局310円高の28,237円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が一時4.0%高となりました。傘下の英半導体設計会社のアームが2023年内にも米国で単独上場する意向で、少なくとも80億ドルの資金調達を目指していると伝わったことで上げ幅を広げる場面がありました。北陸電力(9505)も一時15.9%高となり昨年来高値を更新しました。原子力規制委員会が志賀原子力発電所2号機の審査会合で原子炉建屋の直下を走る複数の断層が活断層ではないとする北陸電力の主張をおおむね認めたことから原発再稼働への期待が高まり買いを集めました。三菱商事(8058)も一時2.7%高となり上場来高値を更新しました。フィリピンの首都マニラ近郊の鉄道向けシステムを約2600億円で受注したと伝わったことで収益の拡大を期待した買いが入りました。ルネサスエレクトロニクス(6723)も一時3.9%高となり昨年来高値を更新しました。日本経済新聞社が日経平均株の構成銘柄の定期見直しでオリエンタルランド(4661)とルネサスエレクトロニクス、日本航空(9201)を新規に採用すると発表したことで買いが優勢となりました。日本航空も一時2.7%高となりましたが、オリエンタルランドは採用が濃厚とみられていたこともあって材料出尽くしとなり一時2.2%安となっています。また、住友ファーマ(4506)も一時2.7%安となり昨年来安値を更新しました。新薬の開発中止により減損損失を計上することから年間配当を従来予想の28円から21円に引き下げたことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は310円高となりました。米長期金利の低下を好感して先週末の米国市場が大幅続伸となったことで買いが優勢となり、節目の28,000円を昨年の12月15日以来およそ2ヶ月半ぶりに回復しました。そのため先高期待が一段と高まりそうですが、今週はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言や日銀の金融政策決定会合、米雇用統計など重要なイベントが目白押しで様子見になりやすいといえます。こうしたなかで28,000円で下値を固めてさらに水準を切り上げることができるかがポイントなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)