2022年末に指摘したレンジの下限にある窓を埋める
今週1月4日から2023年の取引が始まります。新しい年が始まることで期待がある反面、2022年末の下落の流れが継続するのか気になるところです。
2022年末の値動きを振り返ってみると、日銀が金融政策の修正を発表した日から株価が大きく下落しましたが、その後も下落が継続する結果となりました。
下向きの5日移動平均線上を終値で維持することができなかったために、2022年12月12日のコラムで解説した2022年10月13日と14日の間にあけた窓と同年10月3日と4日の間にあけた窓を埋める結果となっており、大きなレンジの下限に接近して終えているのが分かります。
こうしてみると、急落に警戒が必要だと解説した「ウェッジ型のもち合い」を下放れし、窓をあけて反落したところで、日銀が金融政策の修正を発表したことが下落の流れを加速させる結果になってしまったことが分かります。
また、日銀ショックの後に下げ止まりにつながる水準が近くに無かったこともあって、レンジの下限に接近するとともに前述の2つの窓を埋める結果になったと考えられます。
このように振り返ると、大きな値幅が発生して下落する可能性があることを事前に判断することができたのではないでしょうか。では、今後の値動きについてはどのように考えれば良いのでしょうか。
埋まっていない窓を埋めるのか?
今後の動きを考える上で「埋めない窓はない」という相場格言を思い出してみてください。そこで重要なカギを握るのが、2022年3月15日と16日の間にあけた窓です。仮に相場の格言通りに株価が動く可能性があるとした場合、レンジの下限を下回って戻せなくなるようですと、この窓を埋める水準まで下落が続くことが考えられます。
その一方で、レンジの下限で下げ止まることができれば、反発への期待が高まることも考えられますが、どちらの可能性があるのかを事前に判断することはできないのでしょうか。
窓が埋まるか否かは、5日移動平均線の向きがカギ
レンジの下限を割り込むかどうか、また窓を埋める水準まで下落が続くのかといった判断で重要なのは、5日移動平均線の向きになります。
仮に株価が5日移動平均線上を回復して維持するようですと、下向きの5日移動平均線が上向きに変化してサポートになり、株価の戻りを試すことが期待される反面、株価が5日移動平均線を上回っても下向きのままだったり、下向きの5日移動平均線に株価が押し返される状態が続いたりするようですと、レンジの下限を割り込んで窓を埋める水準辺りまで下落が続くことが考えらます。
そのため、2023年相場は大発会以降の5日移動平均線の向きに注意して、売買判断に役立てるようにしたいところです。