東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて続落となりました。265円安の26,074円で寄り付いた日経平均はまもなくして213円安の26,126円を付けた後下げ幅を広げ節目の26,000円を割り込むと10時50分過ぎに386円安の25,953円まで下落し341円安の25,998円で前場を終えました。351円安の25,988円でスタートした後場の日経平均はやや持ち直し26,000円を上回って推移すると結局246円安の26,093円で取引を終えています。一方で新興株は高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

ウェザーニューズ(4825)が一時4.1%高となりました。個人向けに提供する気象アプリの利用者数が増え有料会員からの課金収入や広告収入が好調だったことや、ソフトウエア開発の内製化が進み外注費などが減ったことなどから第2四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で28.3%増となり、第1四半期の10.3%減から増益に転じたことで買いが優勢となりました。ネクソン(3659)も4.4%高となりました。中国でゲーム産業を管轄する国家新聞出版署が日本からの輸入ゲームの提供認可の状況を発表し、ネクソンの「メイプルストーリー」も提供が認可されたことから大幅高となりました。

一方でクスリのアオキホールディングス(3549)が12.1%安となりました。夏の気温上昇により季節商材が好調で、新型コロナウイルスの自宅療養者の増加に伴い医療品の需要も増えたことなどから上期の営業利益は前年同期比で21.6%増の大幅な増益となりましたが、水道光熱費と人件費の上昇で第2四半期3ヶ月間の営業利益が8.8%増に止まり、第1四半期の35.2%増から伸びが大幅に鈍化したことで売りがかさみました。DCMホールディングス(3050)も一時3.5%安となりました。新型コロナウイルス禍を背景とした巣ごもり需要の反動が出たうえ、原材料価格の高騰や円安の進行も利益の押し下げ要因となり第3四半期の営業利益が前年同期比で3.3%減となったことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は246円安となりました。米長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出て昨日の米国市場が下落となり、ナスダック総合株価指数が2ヶ月半ぶりに年初来安値を更新したことから続落となりました。一時は380円以上下げ節目の26,000円を割り込みましたが、押し目買いが入り26,000円を引けでは維持しています。

しかし、日銀による金融緩和政策の修正が尾を引き株安の流れを断ち切れないことから下値への警戒感が一段と強まりそうで、こうしたなかで26,000円をキープして今年の取引を終えることができるかがポイントとなりそうです。なお、小売り企業を中心とした2月決算企業の第3四半期決算発表が続いていますが本日も引け後にはカジュアル衣料大手のアダストリア(2685)が決算を発表する予定です。また、日本時間の22時30分には米新規失業保険申請件数の発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)