2023年の日経平均高値予想
12月26日の朝、ある経済番組で放送された、番組出演者による2023年の日経平均の高値水準に対するアンケート結果を見て驚きました。
出演者が回答した高値の価格帯は、28,000円台~34,000円台でした。1,000円刻みの分布で、1番予想した人が多かった価格帯は最低の28,000円台と29,000円台でした。
逆に、最高の34,000円台は1人、33,000円台は2人だけでした。回答者の約6割が30,000円台以下だったのです。2022年の平均がおおよそ27,000円台前半なので、あまり上値を見込んでない、「卯」年は跳ねない、ということでしょうか。
対照的な動きを見せる銀行株と電機株、移動平均線が示唆することとは
さて、2022年は銀行株がよく上昇しました。逆に、電機株が大きく売られました。年明けも同じような展開の雰囲気ですが、銀行株に関しては、短期、長期の付き合い方をしっかり分けて考える必要があるとみています。
月足で銀行株指数をみると、長期トレンドを判断する時に使われる60ヶ月移動平均線が依然として下向き基調にある点に留意する必要があります。長期では下降トレンドが続いているという見方ができるためです。
移動平均線を分析に使う際、その傾きが重要です。60ヶ月前(5年前)の株価が現在値よりも高い場合、傾きは下向きとなります。逆に、60ヶ月前の株価が現在値よりも低い場合、傾きは上向きとなります。下向きから上向きに変われば、上昇トレンド入りする可能性がある、と判断できるわけです。
銀行株指数の60ヶ月前は200ポイントを若干超える水準でした。現在が190ポイントを若干超える水準なので、上向きになるためにはもう一段高の必要があります。12月はすでに1割高となっていますが、長期のトレンドが下を向いている場合、短期的に上昇した後の反落は大きくなるケースも珍しくありません。つまり、株価上昇の持続性が低く、短期的には調整局面入りを警戒する必要があります。
その一方、長期は上昇という予測がたちます。ざっくりですが、2023年の後半には60ヶ月前の株価水準が低下してくため、60ヶ月線は上向きに変わりやすく、株価上昇の持続性も高くなることが予想されます。
しかし、電機株は逆です。60ヶ月線は上向きで上昇トレンドが継続しているという見方ができます。そのような中、2022年は60ヶ月線に向けて下げてきました。このような両者の対照的な動きを、2023年前半の相場を読む上で、どう考えることができるでしょうか? 1999年の「卯」年は、確か、ITバブルで電機株が大きく跳ねた記憶があります。