東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに小幅に反発となりました。82円高の27,982円で寄り付いた日経平均は直後に107円高の28,007円を付けましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩み上げ幅を縮め10時過ぎにマイナスに転じ11時過ぎに53円安の27,846円まで下落すると28円安の27,871円で前場を終えました。1円安の27,898円安でスタートした後場の日経平均は先週末の終値近辺で小幅に揉み合いましたが、引けにかけてやや買いが優勢になると結局45円高の27,944円で取引を終えています。

こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が小幅に上昇となっています。

2.個別銘柄等

著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社のバークシャー・ハザウェイ(BRK)が子会社を通じて株式を買い増したことが関東財務局に提出した大量保有報告書で明らかとなったことから大手商社が買われました。伊藤忠商事(8001)が一時1.9%高、丸紅(8002)が一時3.4%高、三井物産(8031)が一時1.8%高、住友商事(8053)が一時2.2%高、三菱商事(8058)も一時3.6%高となりました。機械部品大手のミスミグループ本社(9962)も5.3%高となりました。部材調達問題が足元で改善していることや、前年に一部製品の販売を停止していたこともあって10月の売上高が前年同月比で8.0%増となったことで買いを集めました。また、目標株価の引き上げを受けて買われたのがゴールドウイン(8111)や日本シイエムケイ(6958)で、ゴールドウインが一時3.1%高、日本シイエムケイも3.3%高となり、ゴールドウインは年初来高値を更新しています。

一方で上期決算を発表したSOMPOホールディングス(8630)が8.0%安となりました。自然災害や新型コロナウイルスの拡大、自動車の交通量回復などの影響で保険支払いが増えことなどから通期の経常利益の見通しを2350億円から1150億円に下方修正したことで売りが膨らみました。さらに同じく上期決算を発表したMS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)も台湾でコロナ感染者に払う保険金が増えることなどから通期の経常利益の見通しを3500億円から2200億円に引き下げたことで一時3.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は45円高となりました。市場予想を上回る企業決算を受けて市場心理が改善し先週末の米国市場が反発となったことで買いが優勢となりました。しかし、節目の28,000円をわずかに上回ったところで伸び悩むとマイナスとなる場面もありました。

今週は23日に勤労感謝の日で日本市場が休場となるほか、24日に米国市場が感謝祭の祝日で休場、25日も感謝祭の翌日で米国市場が短縮取引となります。そのため今週は様子見になりやすいといえます。こうしたなかで28,000円を超えて水準を切り上げることができるかが引き続きポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )