東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて大幅続伸となりました。191円高の27,718円で寄り付いた日経平均は9時10分前に177円高の27,704円を付けた後上げ幅を広げると10時40分前に415円高の27,943円まで上昇し352円高の27,879円で前場を終えました。397円高の27,925円でスタートした後場の日経平均は13時過ぎに414円高の27,942円を付けた後やや上げ幅を縮め27,900円を小幅に下回って推移すると結局344円高の27,872円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

第3四半期決算を発表したヤマハ発動機(7272)が12.8%高となり年初来高値を更新しました。二輪車の値上げに加え、コストダウンが進んだことなどから通期の営業利益の見通しを2000億円から2200億円に上方修正したことで買いを集めました。上期決算を発表したマルハニチロ(1333)も4.2%高となりました。欧米向けペットフードの販売が好調なうえ、スケソウダラなど水産物の販売も海外で伸びることなどから通期の営業利益の見通しを240億円から270億円に引き上げたことで大幅高となりました。

一方でNTTデータ(9613)が5.6%安となりました。公共・社会基盤事業で不採算案件が発生したことなどで上期の営業利益が前年同期比で1.1%減となったことで売りが膨らみました。同じく上期決算を発表したオリックス(8591)も一時5.6%安となりました。欧州の資産運用事業が振るわなかったうえ、前期に会計ソフト大手の弥生を売却した反動が出ることなどで通期の純利益が前期比で19.9%減となる見通しを発表したことで売りが優勢となりました。第3四半期決算を発表した昭和電工(4004)も一時5.2%安となりました。半導体などの需要減速を受けて関連部門の売り上げが当初想定よりも減少するほか、原材料価格の上昇が収益を圧迫することなどから通期の営業利益の見通しを840億円から560億円に下方修正したことで下げ幅を広げる場面がありました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は344円高となりました。8日投開票の米中間選挙で大統領の政党と議会の多数党が異なる「ねじれ」になれば、株式市場に逆風となる政策が出にくくなるとの見方から昨日の米国市場が上昇となったことで買いが優勢となりました。また、米中間選挙後に株価が上昇するアノマリーが意識されたこともあって上げ幅を広げました。昨日に上値を押さえられた一目均衡表の雲を上に抜け、75日移動平均線(27,624円)も上回り上値余地が広がったことで今後の展開に期待が高まりますが、こうしたなかで明日も買いが優勢となった場合には本日に超えられなかった節目の28,000円を上回って水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表が本格化していますが本日も引け後には住友金属鉱山(5713)やダイキン工業(6367)、スズキ(7269)、任天堂(7974)などが決算を発表する予定です。また、米中間選挙では下院で野党の共和党が過半数の議席を得るとの見方が多い一方で、上院は接戦とみられていることからその結果が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)