バリュー系景気敏感株が存在感を増す
国内企業の決算発表は後半戦に入っています。電機セクターを中心にグロース系の個別決算はまちまち、経済再開銘柄の決算も急回復を思わせるほどはよくないという状況の中、三井物産(8031)や日本製鉄(5401)の決算がバリュー系企業の存在感を気づかせてくれました。
バリュー系景気敏感株は久しぶり感もあってか、株価の反応が良好です。それは11月に入ってからの業種別株価指数をみれば明らかで、トップの卸売(主に商社)から、上位は鉄鋼、鉱業、非鉄金属、石油石炭製品と続きます。
NY原油先物、2つの底入れ条件ポイント
最近、NY原油先物が底値圏で底堅くなってきています。NY原油先物の直近安値は、9月26日につけた1バレル=76.71ドルでした。また、その後の反発で10月7日に92.64ドルの戻り高値をつける場面がありました。
テクニカル面での注目ポイントの1つ目は、直近安値から戻り高値までの値幅である15.93ドルです。6月にダブルトップを形成して本格的に調整局面に入りましたが、調整局面で何度も生じてきた戻り幅以上の大きな戻りを今回は示現しました。これは底入れの条件の1つになります。
2つ目のポイントは、6月高値からの下降トレンドラインを上抜けたことです。これも底入れの条件の1つになります。
そして、下降トレンドラインへの揺り戻しの後に再び上昇しました。あとは何が必要かというと、10月7日の戻り高値92.64ドルを上抜けることです。それによって、「ミニ・ダブルボトム」を形成し、当面のリバウンド相場入りが期待できます。
原油高はインフレが要因です。原油相場の底堅い動きをみると、米長期金利はますます低下しづらくなるシナリオが思い浮かびます。その場合、バリュー株優位でグロース株には重荷となる可能税もあります。三井物産の史上最高値更新や原油相場の底堅さだけで広く語ることはできませんが、「相場の1点」をみて発想を広げることは醍醐味でもあります。