今週(10月14日~10月20日)の相場動向

相場回顧 BTC:米9月CPI発表後に急回復するも軟調な展開

ビットコインは米9月消費者物価指数が市場予想を上回る伸びとなったことを受けて一時BTC=272万円(18,200ドル)付近まで急落した。しかし、その後は金利が急低下したことや割安感が意識されたことから買い戻しが強まり、米国株とともに急回復した。アルトコインからの資金流入も後押しして一時BTC=299万円(20,000ドル)付近まで上昇したが、金融引き締め懸念も根強いなかで上値も重くなり、2,000ドル幅で乱高下する展開となった。10月17日から18日にかけては米金融機関の決算が好調となったことで米国株が大幅反発し、ビットコインも買い優勢の展開となった。英国政権が大幅減税を含む経済政策を撤回し、財政悪化の懸念が後退したことも好感された。しかし、米当局者のタカ派発言などから米長期金利が再び上昇し、米国株とともに売りが強まった。米SECと米CFTCが倒産した暗号資産ファンドのスリー・アロウズ・キャピタルを調査中と報じられ、市場では規制リスクも意識された。

 

来週(10月21日~10月27日)の相場予想

BTCは金融市場の動向に左右される展開が継続、GAFAM企業決算に注目

金融市場では、引き続き金融引き締め継続への懸念は強いものの、米国企業の2022Q3決算発表に関心が移っている。今週は金利上昇の恩恵を受けた大手金融機関の決算好調が目立った。来週は大手テック企業であるGAFAMの決算発表を控えており、各社が市場予想を上回る業績となった場合には株式とともにビットコインも買いが強まることが考えられる。一方、日欧の金融政策決定会合にも注目である。欧州では0.75ポイント連続大幅利上げが予想されているが、利上げ幅の拡大や、ECB総裁による利上げ継続への強い発言がみられた時には株式とともに下落することもあるだろう。

ウクライナではロシア軍による攻撃が続いており、発電所などのインフラ被害が拡大している。この攻撃にイランから供与された無人機が使われているとの指摘があり、イランはこれを否定しているが、緊急で開かれた国連安全保障理事会では同国による兵器売買は国連決議違反に当たる行為であるとの見解で一致した。露プーチン大統領は併合したウクライナ4州で戒厳令を出すなどまずます強硬姿勢を強めており、ウクライナ戦争の激化によって金融市場に影響が及ぶリスクにはしばらく警戒が必要である。

暗号資産市場では、先週の不正流出事件等の影響もあり、薄商いの状況が続いている。新興ブロックチェーンとして注目を集めるアプトス【APT】が海外の主要取引所に上場し、その直後に急騰急落するなどの投機的な動きも観測されている。米商品先物取引委員会(CFTC)の暗号資産規制に関する修正法案がネット上でリークされ、米国における暗号資産規制強化への懸念も広がっている。大幅下落を引き起こすショッキングな悪材料は出ていないが、総じてネガティブな状況であり、金融市場の動向に左右される展開が続くだろう。

直近上値としてBTC=314万円(21,000ドル)、下値としてBTC=269万円(18,000ドル)を意識する。