東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて5日ぶりに大幅反発となりました。361円高の26,599円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ安値に上げ幅を大きく広げると前引け間際に909円高の27,146円まで上昇し903円高の27,141円で前場を終えました。917円高の27,155円でスタートした後場の日経平均は12時50分前に942円高の27,180円まで上昇した後伸び悩みましたが高値圏で推移すると結局853円高の27,090円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が2.4%高となり節目の700ポイントを回復しています。
2.個別銘柄等
本決算を発表したファーストリテイリング(9983)が8.4%高となりました。国内ユニクロ事業では値引き率の見直しが寄与するうえ、海外ユニクロ事業でも中国本土を含むグレーターチャイナなどで増益が見込まれることなどから2023年8月期の営業利益が前期比で17.7%増となる見通しを発表し市場予想も上回ったことから上げ幅を大きく広げ、日経平均を1銘柄で226円押し上げました。良品計画(7453)も7.7%高となりました。客数が想定ほど伸びなかったことや、円安や物流費の高騰で海外からの商品の調達コストも膨らんだことなどで2022年8月期の営業利益は前期比で22.8%減となりましたが、第4四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で9.5%増と増益に転じたことで大幅高となりました。ブックオフグループホールディングス(9278)も一時11.8%高となり年初来高値を更新しました。トレーディングカードやホビーなどの売り上げが大幅に伸びたうえ、物価高における生活防衛手段としての中古品需要の高まりも追い風となったことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で3.8倍となったことで買いを集めました。不動産運用のいちご(2337)も12.2%高となり年初来高値を更新しました。商業施設やオフィスなどの販売用不動産の売却が好調で上期の営業利益が前年同期比で19.8%増となったことで買いが膨らみました。
一方で手術用品を販売するホギメディカル(3593)が7.2%安となりました。上期6ヶ月間の営業利益は前年同期比で6.6%増となりましたが、第2四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で11.2%減と減益に転じたことで売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は853円高となりました。9月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る上昇となるなかで昨日の米国市場が朝方の売り一巡後に持ち直し大幅高となったことから過度な警戒感が後退し大きく上げ幅を広げる展開となり節目の27,000円を回復しました。しかし、25日移動平均線(27,148円)を小幅に上回ったところではさすがに伸び悩みました。そのため25日移動平均線が上値抵抗線として意識されそうで、週明けに引き続き買いが優勢となった場合には25日移動平均線や200日移動平均線(27,266円)を超えてさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の21時30分には9月の米小売売上高や9月の米輸出入物価指数が発表されるほか、23時には10月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値が発表される予定です。また、米国では決算発表がスタートしますが14日はJPモルガン・チェース(JPM)やモルガン・スタンレー(MS)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)、シティーグループ(C)などの金融大手が決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)