東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて続落となりました。259円安の27,053円で寄り付いた日経平均は10時40分過ぎに357円安の26,955円まで下落しましたが、節目の27,000円を小幅に下回ったところで底堅さをみせるとその後は下げ幅を縮める展開となりました。265円安の27,047円と27,000円を回復して前場を終えた日経平均は257円安の27,055円で後場の取引をスタートさせると13時20分過ぎに116円安の27,197円まで戻し結局159円安の27,153円で取引を終えています。一方で新興株は高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
東芝(6502)が一時2.8%高となりました。東芝の再編を巡り官民ファンドの産業革新投資機構(JIC)が共同で2次入札に進んだ日本産業パートナーズ(JIP)との連携を解消し、同じく2次入札に進んでいる米ベインキャピタルと連合を組む方向で調整していると伝わったことで再編に向けての交渉前進を期待した買いが入りました。また、ロシアのプーチン大統領がウクライナとの戦闘継続のため部分的な動員令に署名したと明らかにしたことで防衛関連株の一角が高く、三菱重工業(7011)が一時2.4%高となり、石川製作所(6208)も一時3.8%高となりました。
一時145円台まで円安が進んだことで自動車株にも堅調なものがみられました。実施中の自社株買いの期限をこれまでの9月30日から11月1日に延長すると発表したトヨタ(7203)が1.4%高となったほか、マツダ(7261)が一時2.0%高、SUBARU(7270)が一時2.2%高、三菱自動車工業(7211)も3.0%高となっています。
一方で東証スタンダード市場では日本オラクル(4716)が5.3%安となりました。販売管理費の増加を受けて第1四半期の営業利益が前年同期比で4.7%減となったことを嫌気した売りが出ました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は159円安となりました。米連邦準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の3倍にあたる0.75%の利上げを決めたうえ、年内に開く11月と12月のFOMCで合計1.25%の利上げを見込み、2023年末の政策金利の見通しも市場予想を上回る水準となるなどFRBが今後も利上げを続ける方針を示したことで、一段の金融引き締めが米景気の悪化を招くとの懸念が強まり昨日の米国市場が大幅下落となったことで売りが優勢となりました。一時は360円近く下げ節目の27,000円を割り込みましたが、27,000円を小幅に下回ったところで下げ渋ると日銀が金融政策決定会合で大規模な金融緩和の維持を決め円安が進んだこともあって27,000円を回復して取引を終えています。しかし、200日移動平均線を割り込んだ翌日に続落となり一目均衡表の雲の下限(27,371円)を下に抜けたことから下値への警戒感が意識されそうで、こうしたなかで連休明け以降も引き続き27,000円を維持することができるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数と4-6月期の米経常収支が発表されるほか、23時には8月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)