下向きの5日移動平均線に押し返される状態が続き、新たな窓も発生
日経平均は冴えない値動きが続いています。また、反発に向かうかどうかの分岐点に差し掛かっていると考えられ、今週は重要な週と言えます。
前回のコラムでは、「5日移動平均線が上値の抵抗になって押し返される状態が続くようですと、緩やかな下向きを続ける200日移動平均線に接近したり、割り込んだりすることが考えられ、押し目買いは控えるか、下げ止まりを確認してから行うなど慎重に対応する必要がある」と解説しました。そして、解説した通り下向きの5日移動平均線を下回った状態が続く展開となりました。
また、今週に入って9月6日の取引時間中に5日移動平均線を上回る場面がありましたが、押し返されるとともに上ヒゲ陰線を形成して下向きの200日移動平均線に接近して終えているのが分かります。
さらに今回も8月31日と9月1日のあいだに新たな窓が発生したまま埋まっておらず、株価水準が切り下がっています。
では今回発生した窓はどの種類の窓と考えられるのでしょうか。過去の値幅の範囲内で発生していることから、コモンギャップ(=普通の窓)ではないかと思われます。仮にコモンギャップだとした場合、5日移動平均線上を回復して維持することができれば、埋めることも視野に入るのではないかと思われます。
今後の下げ止まりと反発に必要な条件とは?
では、このような状況下で反発するために必要な条件とは何でしょうか。ヒントは、これまでグランビルの法則について解説してきましたが、下降トレンドから上昇トレンドに変化するために必要となるテクニカル的な条件になります。
答えは、移動平均線の向きが下向きから上向きに変化することです。今回は5日移動平均線と200日移動平均線の両方が下を向いていますが、どちらの移動平均線を優先的に注目する必要があるのでしょうか。5日移動平均線と200日移動平均線のどちらに重点を置くかを考えた場合、200日移動平均線に重点を置く方が重要と考えられます。
なぜなら、200日移動平均線は中長期のトレンドを表しており、200日移動平均線が上向きに変化すれば、5日移動平均線が上下に変動する場面があっても、最終的に5日移動平均線も上向きに変化すると考えられるからです。
ただ、200日移動平均線が上向きに変化するためには、200日移動平均線が上向きに変化するまで日経平均の終値が200日移動平均線上を維持する必要があります。9月6日から数えて200日前は2021年11月12日になりますが、9月6日の終値水準を維持するようですと、200日移動平均線も45営業日後には上向きに変化することが考えられます。
時間はかかりますが、2ヶ月半ほど200日移動平均線を上回って維持することが、本格的に株価が上昇トレンド入りするためのカギになると言えるでしょう。
そう考えますと、今週以降、200日移動平均線上を維持することが年末に向けての上昇を実現するための重要な週であるということが言えるのではないでしょうか。