東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は5日続落となりました。28円高の28,481円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分弱で62円高の28,515円まで上昇しましたが、節目の28,500円を小幅に上回ったところで伸び悩むと9時30分過ぎにマイナスに転じ10時50分過ぎに170円安の28,282円まで下落しました。しかし、前引けにかけて下げ幅を縮めると93円安の28,359円で前場を終えました。再び下げ幅を三桁に広げ137円安の28,314円でスタートした後場の日経平均は13時10分過ぎに155円安の28,297円を付けた後14時50分前に91円安の28,361円まで戻しましたが、大引けにかけてやや下げ幅を広げると結局139円安の28,313円で取引を終えています。一方で新興株は堅調で東証マザーズ指数は小幅に上昇となっています。
2.個別銘柄等
オリンパス(7733)が一時4.1%高となり上場来高値を更新しました。生物顕微鏡などを手がける科学事業の売却交渉で米大手投資ファンドのベインキャピタルを軸に調整に入り、ベインキャピタルによる買収額が4000億円規模になる見通しと伝わったことで買いが入りました。東京電力ホールディングス(9501)も10.0%高となりました。経済産業省が2023年夏以降に東京電力柏崎刈羽原発6、7号機のほか、東北電力女川原発2号機、関西電力高浜原発1、2号機、中国電力島根原発2号機、日本原子力発電東海第二原発の計7基の再稼働を目指す方針を政府の会議で示すと伝わったことで買いを集めました。関西電力(9503)も一時3.4%高、東北電力(9506)も3.8%高、中国電力(9504)も一時3.4%高となっています。
また、防衛省が来年度の防衛費の要求を過去最大の5兆5947億円とする方向で調整していると伝わったことで防衛関連の三菱重工業(7011)や川崎重工業(7012)、IHI(7013)が高く、三菱重工業が6.9%高、川崎重工業が3.5%高、IHIも5.4%高となりました。さらに目標株価の引き上げを受けて豊田通商(8015)や三井物産(8031)が高く、豊田通商が4.1%高、三井物産も一時2.6%高となりました。一方で川崎汽船(9107)が目標株価の引き下げを受けて一時2.4%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は139円安となりました。昨日の米国市場の下げが限定的だったこともあり買いが先行しましたが、節目の28,500円を小幅に上回ったところで伸び悩むと下落に転じ下げ幅を三桁に広げました。明日、明後日はジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を週末の夜に控え様子見になりやすいといえますが、こうしたなかで買いが優勢となった場合には本日上値を押さえられた28,500円を超えられるかが、反対に売りが優勢となった場合にはサポートとして意識されやすい25日移動平均線(28,181円)を維持できるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の21時30分に7月の米耐久財受注額が発表されるほか、24日の米国ではエヌビディア(NVDA)やセールスフォース(CRM)の決算発表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)