東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に続落となりました。17円安の27,682円で寄り付いた日経平均は直後に16円高の27,715円を付けましたが、買いが続かず下げ幅を広げると9時50分前には160円安の27,538円まで下落しました。しかし、節目の27,500円を前に切り返すと下げ幅を縮め17円安の27,681円で前場を終えました。1円安の27,697円でスタートした後場の日経平均は14時40分前に75円安の27,623円まで下落した後引けにかけてやや戻すと結局44円安の27,655円で取引を終えています。一方で新興株は堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)が3.2%高となりました。アリババ集団が2022年末までに香港市場の上場方式を変更し条件の緩いセカンダリー方式から取引所のルールをすべて順守するプライマリー上場に切り替えると発表し香港市場で大幅高となったことでアリババ集団に出資するソフトバンクグループに物色の矛先が向かいました。上期決算を発表したキヤノンマーケティングジャパン(8060)も一時6.2%高となり年初来高値を更新しました。採算の良いミラーレスカメラや交換レンズが好調なうえ、企業向けITサービスなどが伸びていることなどから通期の営業利益の見通しを415億円から460億円に引き上げたことで大幅高となりました。リチウムイオン電池向けのセパレーターを手掛けるダブル・スコープ(6619)も16.1%高となりました。電気自動車向けが好調なうえ、掃除機やドライヤーといったコードレス家電、電動工具向けなどが伸びていることなどから通期の営業利益の見通しを50億円から55億円に上方修正したことで買いを集めました。業務スーパーを展開する神戸物産(3038)も5.8%高となりました。利便性の高い冷凍野菜の好調が続いたことなどで6月の個別売上高が前年同月比14.9%増と高い伸びとなったことを好感した買いが入りました。
また、原油価格の上昇を受けて石油関連株が高くINPEX(1605)が3.3%高、石油資源開発(1662)が5.5%高、出光興産(5019)が3.1%高、コスモエネルギーホールディングス(5021)も5.0%高となりました。
一方でコーエーテクモホールディングス(3635)が3.4%安となりました。保有するデリバティブ(金融派生商品)の評価損など営業外費用が膨らんだことで第1四半期の経常利益が前年同期比で50.6%減と大幅な減益となったことが嫌気されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は44円安となりました。今週に主力企業の決算発表や米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表など重要イベントを控え昨日の米国市場同様に様子見となるなか売りが優勢となりました。一時は下げ幅を三桁に広げましたが、200日移動平均線(27,570円)をサポートに切り返すと下げ幅を縮めました。明日もFOMCの結果発表を翌日の未明に控え模様眺めになりやすいといえますが、そうしたなかで引き続き200日移動平均線を維持できるかがポイントとなりそうです。なお、決算発表が続いていますが本日も引け後にはオムロン(6645)や日東電工(6988)、キヤノン(7751)などが決算を発表する予定です。
また、日本時間の23時には7月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数や6月の米新築住宅販売件数が発表されるほか、26日の米国ではコカ・コーラ(KO)やマクドナルド(MCD)、スリーエム(MMM)、アルファベット(GOOGL)、マイクロソフト(MSFT)などの決算発表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)