東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続伸となりました。232円高の26,386円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分余りで378円高の26,532円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと上げ幅を縮め215円高の26,369円で前場を終えました。

185円高の26,339円でスタートした後場の日経平均は13時前に141円高の26,294円まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直すと14時10分過ぎに285円高の26,439円まで上昇し結局269円高の26,423円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

楽天グループ(4755)が一時6.0%高となりました。傘下のインターネット専業銀行である楽天銀行が東証に新規上場申請したと発表したことで買いが優勢となりました。ハイデイ日高(7611)も6.9%高となり年初来高値を更新しました。3月にまん延防止等重点措置が解除され客足や酒類の需要が戻ったことなどから第1四半期の純利益が前年同期比で6倍と急回復をみせたことで買いを集めました。

上期決算を発表した中古車販売のネクステージ(3186)も6.4%高となりました。新車の供給が遅れて中古車不足が続くなか買い取り専門店の出店強化で中古車販売が好調だったことなどから通期の業績予想を上方修正したことが好感されました。電子書籍の取次事業などを手掛けるメディアドゥ(3678)も9.4%高となりました。クレディセゾン(8253)と資本業務提携を締結しメディアドゥが運営する電子書店「コミなび」をリニューアルし、購入額の50%ポイントを還元する電子コミックサービス「まんがセゾン」の提供を開始すると発表したことが材料視されました。

一方でカジュアル衣料大手のアダストリア(2685)が7.5%安となりました。6月度の既存店売上高は気温の上昇やサマーセールの開始により夏物商材の販売が好調に推移したことで前年同月比8.1%増となりましたが、5月の31.9%増から伸びが大きく鈍化したことが嫌気されました。クスリのアオキホールディングス(3549)も8.6%安となりました。2022年5月期の営業利益が会社計画や市場予想に届かなかったうえ、2023年5月期の営業利益の見通しも市場予想を下回ったことで売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は269円高となりました。昨日の米国市場が独立記念日の祝日で休場となるなか昨日の堅調な地合いを引き継ぎ買いが優勢となりました。また、米株価指数先物が上昇となっていたこともあって上げ幅を広げ節目の26,500円を小幅に上回る場面もありました。今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表や米雇用統計の発表などを控えて様子見になりやすいといえますが、そうしたなかで明日以降に26,500円を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、小売り企業を中心とした2月期決算企業の第1四半期決算発表が続いていますが、本日も引け後にウエルシアホールディングス(3141)やイオンモール(8905)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)